第2章 1人は……ダメ……
その時、ガタッと大きな音が、私と優稀の耳に入る。私の体は、思わず固まる。聞こえてきた方向を見る。
私は、思わず目を見開く。だって其処には………。
「ミーツケタ。」
そう、あの包丁を持った少女がいたのだ。追いかけてきたのかと、疑ってしまう。私と優稀の顔色が一気に変わる。
「あ……あ…………。」
私の口から、僅かに漏れる声。優稀は、慌てて私に近づき、私の耳元で囁く。
「香李、僕がアイツを引きつけるから、君はその隙に逃げて。」
「えっ………!?」
思わず疑ってしまった。私は、でも…と声を出すが、優稀の鋭い瞳を見たら、何も言えなくなってしまう。
優稀は、ニコリと微笑み包丁を持った少女に睨みつける。そして、持っていたノートを少女に向かって投げつける。
その瞬間、少女は怯んだ。
「さぁ!今のうちに!!」
→優稀の言う通りにする。(26ページへ)
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