第2章 1人は……ダメ……
─香李─
「もしかしたら、誰かが此処の村を訪れた……とか?」
優稀の言葉に、驚く私。でも、そう考えた方が、自然かもしれない。だけど、何の為にこの村に訪ねるんだろう?
首を傾げても、答えが出ず謎ばかりが増えていく。その部屋に、私達は入り、探索を始める。
そして、私はテーブルに近づき引き出しを開ける。其処には、緑色の一冊のノートが置いてあった。
私は、無意識にそのノートを取り開く。だが、私はそのノートの内容を見て、言葉を失った。
其処に、書かれていたのは…………。
『欲しい………。───が、欲しい。ホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイホシイ。』
とんでもない、内容だった。
「っ!!!!!」
思わず、私はそのノートを投げ飛ばしてしまった。不思議に思ったのか、優稀は私が投げたノートを拾う。
優稀も、ノートを見て顔の表情が変わった。私と同じく言葉を失っていた。優稀は、首を左右に振り冷静さを戻す。
ノートを広げたまま、優稀は言った。
「とりあえず、この文字……読めないぞ?」
確かに、欲しいという前に、何かが書かれているのはわかるが、何を書いてあるかはわからない。
「………何て書いてあるんだろうね?」
「…わからないね。文字が、かなり薄れているせいで、解読無理だ。」
優稀は、お手上げだという意味で、ノートを閉じる。私も、これ以上の事をわからないと思い、溜息をする。