第2章 1人は……ダメ……
「何処の鍵なんだろう?」
香李が、不思議に思って声に出す。優稀は、首を左右に振り、わからないと伝える。見た目は、普通の鍵だった。
少し、錆びていたが使える事は、確かだった。再び、お互いに探索し始める。そして、ある掛け軸をめくった瞬間………。
「ひっ!!」
香李は、悲鳴をあげる。優稀は、慌てて彼女に近づく。優稀は、彼女の自然の先を見ると言葉を失う。
「なっ!?……なんだ、これ……?」
そう、掛け軸を退かした場所の壁には………血のような真っ赤な色で……。
『ハヤクハヤク……ジブンノ、モノニシタイ………。』
そう書かれていた。何故、片仮名なのかは不明。だが、この文字を見た瞬間、2人は恐怖を覚えた。
「香李、村がわかったら、早く出よう。只ならぬ、悪い予感がする……。」
「う、うん………。」
優稀の言葉に、頷く香李。香李と優稀は、その掛け軸から離れる。暫く、この部屋を探索したが、鍵以外に見つける事が出来ず、部屋を出るのだった。
そして、廊下に出てまた歩き始める。旅館ということで、かなり広い為、一つ一つ探索するのは、時間が掛かりそうだな、と予測する優稀。
また、一つの扉を見つける。再び開ける。其処は、さっきよりも雰囲気が違っていた。まだ、こっちの方が新品に見てた。
机の上にも、あまり埃が被っていなかった。その異変に、気が付く優稀。
「………此処の部屋は、最近使われていた?」
「で、でも……村自体は、結構前にダメになったんじゃあ………。」
確かに、香李の言った通りにこの村は、だいぶ前に、廃棄された場所だ。しかし、この部屋は、新品なテーブルと椅子が置いてある。