第2章 1人は……ダメ……
→扉を開けない。
この倉庫は、私にとっては気になって仕方なかった。しかし、どうしても手が止まってしまう。
まるで、この倉庫の中を見てはいけないと……手が、動かないのだった。
蓮は、私の腕を掴み、スタスタと歩き出す。
「いい加減にしやがれ!………行くぞ…。」
蓮は、最初の方は私に向かって、怒鳴ったが、最後の方になると、弱々しく言ったのだった。
「蓮…………。ごめん………。」
私は、蓮に聞こえないぐらいの声で、謝っていた。それも、私の無意識で……。何故此処で、私が謝ったのかは、不明だ。
気づいた時には、何言っているんだろう…と不思議に、思っていた。
私と蓮は、優稀達が居る場所に向かって、歩いていた。
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─稟 終わり─