第1章 久しぶりの…………。
「おい!優稀ッ!!」
立ち止まっていた優稀に声を掛ける蓮。彼の呼びかけに優稀は、振り返る。蓮は、他の奴らは?と聞くと……。
優稀は、首を左右に振り、見失ってしまったと顔を歪める。蓮は、そうか、と答える。蓮は、優稀を見て言った。
「とりあえず、探すか。ぜってぇ、この村の中にいるのは違いないはずだ。」
「あぁ。そうだね。探そうか………。」
そう言った優稀が、ポケットから携帯を取り出す。しかし、優稀の携帯も『圏外』と表示されている。
蓮は、馬鹿か?と優稀に向かって言うと、優稀は複雑そうな表情して再び、ポケットに携帯をしまう。
「携帯が、使えねぇ今…歩くしかねぇよ。此処は、電信柱が一本も立ってねぇからな。」
「不便だけど……仕方ないな。歩こうか……。」
優稀の言葉に、頷く蓮。蓮と優稀は、上手く再開したが、稟と香李がお互いに合流出来たかと、心配をする優稀。
「………合流出来ているといいんだけど……。」
「そんなの、会ってみなきゃ…わかんねぇよ。それに、あのガキが追い掛けてくる様子はなかったみたいだしな。」
蓮の言葉に、首を傾げる優稀。追い掛けてこない?と思わず連に聞いてしまう優稀。蓮は、素直に頷くが、どうして追い掛けて来ないのかは、わからないと言う。
「此処は、随分と前に廃棄した場所みたいだね。」
「だな……。かなり古い建物ばかりだしな。」
優稀は、建物を見ながらそう言ったのだった。蓮は、他の場所を見ながら返事をすのだった。