第2章 僕がしたいから
制服を脱がされベッドに寝かされる。
彼の顔をぼんやり眺める。
「ん?どうかした?」
彼がにっこり微笑む。
「…え。べつに」
そんなにガン見してたかな。そんなつもりじゃなかったんだけど。
「ねぇなに?」
彼が私の頬をぷにぷにぷにぷにする。
「何もないって…ふふふっ」
可笑しくて私は笑う。
「本当?」
彼が私の目をじっと見つめる。
「…逢坂くん。わたしの相手ずっとしてて面倒じゃない?すぐ泣いたり怒ったりするし」
私も彼の目を見つめる。
彼は優しく微笑む。
「面倒じゃないよ。前も言ったと思うけど…そういうところが好きだから」
「そういうところって…情緒不安定なとこ?」
私がそう言うと彼はふふっと笑った。
「ゆめちゃんは情緒不安定じゃないよ。喜怒哀楽がストレートだとは思うけど」
「…そういうのって情緒不安定なんじゃないの?」
「全然違うよ。むしろ健全」
そう言って彼は優しく私の髪を撫でる。
「そうなのかなぁ…」
私は首を傾げる。
「うん。例えば…ゆめちゃん。僕を殺したいと思う?」
……。
「…え?思わないよ?好きだもん」
「ね?」
私の答えに彼は楽しそうに頷いた。
そして私の唇に優しくチュッとキスをした。
「…ひとりで納得してつまんない」
私は口をとがらせて苦情を言う。
「じゃあ…一緒に楽しいことしよう」