第2章 僕がしたいから
ちょっと久しぶりに来る彼の部屋。
カバンを置いて座ろうとすると彼に声をかけられる。
「勉強する?」
私は首を傾げて彼の顔を見る。
勉強しようって逢坂くん言ってたけど。
でも私もどっちかなって思ってたけど。
彼は私の返事を待たず、私を抱き寄せてキスする。
「機嫌を直そうとしてそういうことしようとしてるなら…違うから」
私の素直じゃない言葉に彼は優しく微笑む。
「僕がしたいから…ダメ?」
手玉に取られているような気がして腹立つけど、抵抗する理由もないし、私もしたいけど…。
目をそらして返事しない私の耳元で彼の声がささやく。
「ね…ダメ?」
「…ダメじゃない」
目をそらしたまま私がそう答えると、彼は私の唇に口づけする。
すぐに私の唇のすき間を彼の舌が撫でる。
私も自分の舌で彼の舌に触れる。
舌の先が触れるだけで全身がふわっとするような感覚がする。
彼の舌が私の口の中を撫でまわすと全身の力が抜けていく。