第15章 これからもずっと
「テスト返ってきたの?見せて見せて」
逢坂くんのカバンから中間テストの答案用紙を発見した。
5科目中、90点台が3枚、80点台が2枚…。
「めちゃできてるし…。普通って言ってたのに…。裏切り者…」
「ゆめちゃんは?どうだった?」
逢坂くんが私に尋ねる。
「あ、うちのクラスはね、まだあんまり返ってきてない」
「本当?」
彼が私のカバンを開ける。
「わーっ!」
私の答案用紙は全部70点台。
私的にはすごくできたんだけど。
「頑張ってるね」
逢坂くんがにこにこして私の頭をなでなでする。
「上から目線ムカつく…」
と言いながら私はゴロゴロと彼に甘える。
「あ、そうだ。これ作ったの。あげる。やってみて」
そう言って私はカバンからCD-ROMを出して渡す。
「ゲーム?」
彼がCD-ROMを眺めて私に尋ねる。
「うん。恋愛アドベンチャーゲームだよ」
私は自信を持って答える。
「ゆめちゃんの思考で作った恋愛ゲーム…解けるかな…」
逢坂くんが首を傾げる。
「もうすぐ誕生日だね、逢坂くん。何が欲しい?」
私は逢坂くんの顔を眺める。
「ゆめちゃんが欲しいな」
逢坂くんがにっこり微笑む。
私もにっこり笑う。なるべく可愛く。
「もうとっくに逢坂くんのものだよ、これからもずっと」
fin