第12章 今日休む
「佐藤さん、ちょっと部活のことで…」
昼休みに女友達とご飯を食べた後、しゃべってたら明神くんに声をかけられる。
「なんですか、部長」
明神くんが手招きして教室の隅でコソコソ話す。
「佐藤さんの彼氏…あの後やっぱり学校来るとかメール来ました?」
「ううん?」
「…俺さっき購買で見ましたよ」
「そうなんだ…」
私はとりあえず逢坂くんの教室に向かう。
廊下の窓から中を覗く。
……。
逢坂くんが机で本を読んでる。
私はただそれをぼんやりと眺めた。
視線に気づいたのか彼が顔を上げてこっちを見る。
彼もちょっとこっちをぼんやり眺めて…すぐにまた視線を下ろし本に向かった。
……。
逢坂くんが……私から目をそらした…。
私はその場から立ち去った。
…
一日の授業が終わって、私は自分の教室にいた。
逢坂くんが私を迎えに来てくれるのを待って。
でも全然来なかった。
そうだよね。
会いたくないから朝も来なかったし、学校来ても何の連絡もくれなかったんだよね。
部活には行ったかな。
でも私が今、部活覗きに行っても昼と同じだよね。
はぁ……。
とりあえず帰ろう。ひとりで。