第12章 今日休む
一人で歩いているとあっという間に学校に着いてしまった。
ひたすら気が重い。
コンピュータ室の中に人がいる。
私はドアを開けて入る。
明神くんがパンをかじりながらパソコンに向かってる。
「おや?幽霊が朝に出るなんてめずらしいですね」
モニターから目を離さないまま明神くんが言う。
「…省略しないでよ。確かに幽霊部員だけど」
私は2年の途中からプログラミング部に在籍してる。
でも勉強と彼氏を優先しててほぼ幽霊部員。
私は机に座ってはぁとため息をつく。
「…朝からどうしたんですか?」
明神くんが話しかけてくれる。気をつかって。
「男心がわからないんです…」
私は明神くんに問いかける。彼は答える。
「…恋愛相談ですか?完全に人選ミスですね」
「…ですよね」
「だいたい佐藤さんの彼氏は俺とは全然タイプも違うと思われますし」
「…そうだよね」
「というか今朝も一緒に来たんじゃないんですか?」
明神くんがチラッと私の方を見て尋ねる。
「今日休む…って。一言だけ。一言だけメッセが来ました。しかもそれは私が催促したからです…」
私がうなだれてそう言うと、明神くんは首を傾げる。
「用件が伝わっているならそれで充分なのでは?」
「そうなんだけど…そうなんだけど…。うまく言えないけど彼はそんな人じゃない…のに。そんなことばっかりで…もうわたしどうしたらいいのか…」
「…?情報が整理されてない上に発信もいかれてますね」
「…ですね」
とりあえず私もパソコンを起動し、幽霊部員の活動をすることにした。