第8章 僕のどこが好き?
「ゆめちゃん、僕のことが好き?」
彼が私に尋ねる。
「好き」
何回聞かれても答えはずっと同じ。
「僕のどこが好き?」
うーん。それは…改めて聞かれるとどこかなぁ。
「…顔かな」
「えっ」
私の答に彼が意外そうなリアクションをする。
ちょっと楽しい。
「そうなの?」
彼が確認する。
「そうだよ」
今度は自信を持って答える。
「…そうなんだ」
納得したようなしてないような感じ。
「他は?」
また聞かれる。
「声とか」
「…他は?」
「え?まだ必要?」
私はちょっと笑う。
「いっぱい聞きたい…」
彼がちょっと甘えて言う。
かわいい。そういうところが好き。
とか言いにくいなぁ。
なんだろう…何かなぁ。
「sex…?」
彼がボソッと言う。
「ふふっ…じゃあそれで」
私が笑うと彼も笑った。
「それでいいの?」
「いいよ。だってそうだもん」
「そっか」
私はもう一度振り返って彼の顔を見る。
ちょっと話してリラックスしたから少し長い時間見れる。
ていうか逆に目を離せなくなる。