第6章 どうだった?
ラブホの部屋に入ってソファに座る。
「何か飲む?」
彼が私を気遣ってか優しく声をかけてくれる。
「うん…ううんやっぱりいい…」
私の返事を聞いて、彼が私の横に座る。
「お風呂のこと気にしてるの?」
「うん…」
「やめておく?」
彼が私の顔を覗き込む。
「え?いいの?」
私の言葉に彼は優しく微笑む。
「ゆめちゃんが嫌なことはやりたくないし…。でもどうしてそんなに嫌なんだろうね?」
彼の優しい言葉に私はちょっと安心する。
「うん…。自分でもよくわかんないなりに考えてみたんだけど…。普通だからイヤなのかなって」
「普通が嫌…どういうことだろう」
彼が首を傾げる。
「なんかエッチとかしてるときは頭の中がワーッて感じで…
もういいやーって感じなんだけど…
お風呂ってなんか普通のことなのに裸で恥ずかしい…みたいな?」
「ふむふむ…」
私のたぶんよくわかんない説明を彼はちゃんと聞いてくれる。
逢坂くんのそういうとこが大好き。
だから逢坂くんが私とお風呂に入りたいならそうしてあげたいとは思う。
「そっかぁ…」
彼は頷く。そしてにっこり笑う。
「そんなこと聞いたら…すごく普通にお風呂に入るしかないよね」
「……」