第5章 踏み出す勇気
慌てて髪を整え、玄関へ向かう。
「い、今出まーす!」
鍵を外し、ドアを開ける。
「おっはよー!ちゃーんっ!」
「……おはようなのだよ。」
「!?」
なんと、訪ねてきたのは高尾と緑間だった。
想定外の訪問客には思わず
「ちょっ!ちょっと待てって!」
……ドアを閉めようとした。
「……何の用だ……?……じゃなくて……。何の用……ですか?」
思わず【素の自分】を出しそうになった。
ドアから僅かに顔を出し、怪訝そうに二人に尋ねた。
(……早く帰ってくれねぇかな……)
だが、そんなの願望は、呆気なく切り捨てられる事になる。
「出かけよーぜっ☆」
「……はぁっ!?」
嵐の前兆である。