第5章 踏み出す勇気
ぽつりぽつり、議事録の上に涙が滲む。
「っ………」
だんだんと、止まらなくなる涙。
ただ、この涙は嬉しくて出てる訳じゃなかった。
【この優しさは一瞬だけ】
【いつ裏切られるかなんてわからない】
【信じてはいけない】
「っ____!」
こんな心の声に、自身が苦しめられていた。
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ただ、無償の愛で包んでもらいたかった。
ただ、本当の自分を見てほしかった。
ただ、本当の自分を認めてもらいたかった。
ただ、それだけだった。
……それなのに。
「……うぅっ、うわあああぁぁあーーーーっっ!!」
…どうして?
どうして?
【俺の】
何が悪かったんだ……?
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