第5章 踏み出す勇気
……………………………
「んっ………」
重い瞼を持ち上げれば、見慣れない天井があった。
「大丈夫かよ?」
「……!?」
急いで声のする方を見れば
「よっ!☆」
と、得意気にウインクする高尾の姿が。
「っ!?」
ガバッ……と、勢いよく起き上がる。
だが
「っ……!」
「おいっ!無理すんなって!」
の身体は上半身を上げきる前に、再びベッドに沈み込んだ。
「……は……。……?」
ため息をついた直後、ある疑問が浮かぶ。
(なんでここにいるの?)
記憶にあるのは家に入った所まで。
自分は家に居たはずなのに、今は高尾の家?に居る。
高尾に目を移すと
「ん?」
と、人懐っこい笑顔を向けてきた。
なぜかはわからない。
だが、この時高尾の笑顔に
ズキン
胸が痛んだ。