第8章 after
後ろから足音が近づいてくるのがわかったが、リヴァイはあえて振り返ることをしなかった。
もはやどうでもよかった。
「リヴァイ、ここにいたのか。」
聞き馴染みのある低い声。
エルヴィンはリヴァイの返事を待たずに横へ座った。
「…団長様がこんなとこで油売っていていいのか。」
「…あぁ、休暇をもらったよ。」
エルヴィンはリヴァイの顔を見ずに空だけを見上げて呟く。
「てめえ!やっぱり兵団を抜けるつもりなのか!」
「いや、そうじゃない。ただの休暇さ。」
熱くなったリヴァイの言葉にも反応を示さずに目を伏せて笑う。
「懐かしいな、ここは。」
「…あぁ。」
「……リヴァイが初めて笑った場所か。」