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確かなこと【進撃の巨人】

第6章 空虚と決意




「待って!!」

目を開けると、自分の伸ばす手を誰かに握られていた。

瞬間、先程までの夢の内容を思い出せなくなっていたことに気づいた。

「……気分はどうだ?」

その恐ろしい目つきに体は跳ね、声が自然と小さくなる。

「……誰?」

「……。うなされていたが平気か?」

恐る恐る頷くと、少しその人の頬が緩んだ気がした。

自分の状況を思い出し、部屋を見回す。知らない部屋のベッド。
なぜ自分がそこにいるのかわからないが、どうでもいいように思えた。

「…アイツなら会議だ。安心しろ、アイツが戻れば俺はすぐにここから出る。」

私が人を探していると思ったのか。この人が何を言っているのかわからないが、なぜか彼を見ていると落ち着いている自分がいた。

「……名前。」

「あ?」

「あなたの名前を教えてください。」
恥ずかしそうに微笑むリア。

リヴァイはふと初めてリアと会った時を思い出していた。
おとなしい見た目とは裏腹にはきはきと話し、同情されることを変に嫌っていた。

リアを何がそうさせたかはわからないが、今目の前にいる人間と同一とは思えない変わりようが余計にリヴァイの心を締め付けた。

「…リヴァイだ。」

どうせ明日には忘れてしまうとわかっていながら、まだ期待して名乗る自分は愚かだろうか。

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