第6章 空虚と決意
数日後。それは本当に突然やってきた。
その日、リアはいつものように窓の外を眺めていた。
空に浮かんでるあの白いものは何だろう。
見たことのないそれに手を伸ばしてみるが届かない。
次にエルヴィンが来てくれるのはいつだっけ……。
あれ。エルヴィンって誰だっけ。
あれ。私…。
誰だっけ。
リアの記憶が全て彼女から流れ出した瞬間、それはリアに今まで無かった自覚をもたらし、大きな不安と恐怖を与えた。
私は誰?
ここはどこ?
私は誰を待っていたの?
わからない。わかんないよっ!!
イヤだイヤだイヤだ。
怖いよ…助けて…。
耳を塞いで泣き叫ぶ。
もう何も無い。空っぽの自分に。