第4章 翼を持たない小鳥はずっと
朝リアが目を冷ますと机には綺麗なドレスが置かれていた。
…見栄をはった豪華なドレスは私には似合わなさすぎる。
しばらくすると使用人が数名入ってきて私にドレスを着せていった。
鮮やかな青のマーメイドラインのドレスは大胆にも胸元が開いており、とても16歳に着せるものではないことは明らかだった。
それほどまでにお金が必要なのか。
両親が自分の体を売ろうとしていることははっきりとわかったが、リアは抗おうとはしなかった。
それどころか自分の体にいくらの価値がつくのかと笑っていた。
どんな貴族だろうか。
あの腐った両親が探したのだからある程度は位があるのだろう。
そんなことを考えながら髪をまとめていると、使用人が車椅子を押してきた。
「そんな高価なもの…どうしたの。」
「旦那様が本日のためにお借りしてきたそうです。」
「そう…。」
内心どこまで見栄をはるのかと呆れていたが、これから出る久しぶりの外にわくわくしていた。
調査兵の方はどんな方なのか。
自分は壁さえ見たことがないが、その壁の外はどうなっているのか。
知りたい。話がしたい。
こんな気持ちは初めてだった。
使用人に押され、車椅子に乗って部屋を出た。