第3章 孤独を埋めるもの
早朝。いつも通り目を覚まし扉に手をかけ、ハッとする。
…そうだ。
リアを起こすのは俺じゃない。
習慣になっていたことがこれからは無いと思うと寂しくはなるが、これでいいと自分に言い聞かせて支度を始めた。
「リアさん?」
久しぶりの声に目を覚ます。
目を開くと、以前まで身の回りの世話をしてくれていた兵士さんがいた。
…リヴァイさんじゃない。
なんだかそれだけなのに心に大きな穴がポカンと空いたようで。
リアの疑問を察したように兵士は口を開いた。
「また…今日からは私がお手伝いにまいりますね。」
「…リヴァイさん、何かあったんですか?」
さぁ、私は団長に頼まれただけなので。
と言うと、兵士はリアに朝食を渡して出て行った。
頭に昨日のリヴァイの思いつめた表情がよぎる。
自分が怒らしてしまったのだろうか。
謝りたい、顔を見たいと思うが足は全く動いてはくれない。
自分が本当に不甲斐なく感じた。
「リヴァイさん…。」
食事は喉を通らなかった。