第2章 運命は残酷で
リヴァイとリアが元居た丘の上に出てきたころには、すでに昼をむかえていた。
グゥーっとお腹の音が鳴る。リヴァイがリアの顔を見ると、真っ赤になって俯いている。
「ご、ごめんなさい…。」
するとリヴァイは提げていた袋からおにぎりを取り出しリアに一つ投げる。
「うわぁ、ありがとうございます。おにぎり持ってるなんて、リヴァイさんお母さんみたいですね。」
「ばか言え、俺が朝飯食わせずに連れてきたから持って来ただけだ。」
リアは口を大きく開けておにぎりを頬張る。
「リヴァイさんが作ってくれたんですか?」
「…食堂のバハアに頼んだ。」
「…じゃあ、今度は私がリヴァイさんに作ってあげますよ。」
リヴァイは食べるのを止めてリアを見入る。
リアは俯いていたが、耳まで赤なって照れているようだ。
リアは息を吐くと、最後の一口を食べ再び景色を眺めた。
「あれ、ここからは壁の外がギリギリ見えないんですね。」
リアは首を伸ばしてどうにか見ようとしている。
「…お前は巨人を見てねぇんだろ。」
リヴァイの悲し気な表情に少し戸惑いながら返事をする。
「は、はい…。見ないまま気絶しちゃいましたから。」
「…あんなのお前は一生見なくていい。俺が見なくていいようにしてやるよ。」
リアは素直にリヴァイの優しさが嬉しく、今度は自分からリヴァイの手を握る。
2人は顔を会わせると照れくさくなり笑みがこぼれた。