第2章 転校生~聞かないで~
突然の質問に驚いて、シャーペンを落としてしまい
あわてて拾った。一応、冷静を装って
“なぜ、そう思うのですか?”
と聞いてみた。するとフッと静かに彼の顔が近づいて、
「とても悲しそうな瞳をしているから・・・」
と呟いた。
もう自分の感情は訳がわかんなくなってしまった。
悲しいんだか起こっているんだか・・・。
後に嫌われるんだったら今嫌われた方がマシだから
“いいえ、しゃべれません。”
と書いた。でも彼は引き下がらない。
「一回だけ。ね?」
何が「ね?」だ。私のことをちっとも知らないくせに。もうこうなったら・・・
“耳をふさいでください。”
と書いて、彼が耳をふさぐのを確認し、きょとんとした顔の彼に背を向けて、水の入ったペットボトルを取り出した。
息を吸って・・・
「あぁー・・・」
バァンッ