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Anglevoice

第2章 転校生~聞かないで~


彼はやはり優等生だった。
皆が答えられない難問を次々と解いていって、女子の人気も上昇したようだ。

休み時間。
私はいつも、屋上に続く階段の窓を開け、外を眺めている。
今日も授業終了のチャイムと同時に駆け出して、階段に行き、窓を開け放って外を眺めていた。

「黒田さん?」
突然背後から声がかかって飛び上がった。
その声の主はあの転校生だった。
「君の名前は?」
私はポケットからメモとシャーペンを取り出した。
私は筆談で会話する。最近はあまりしゃべりかけられなかったから、メモはまだページがたくさん残っていた。
“黒田です。はじめまして。”
メモを渡した。すると彼は苦笑いして
「君の下の名前だよ。」
と言った。私は下の名前聞かれるなんて久しぶりだなぁと思いつつ、
“莉音です。”
というメモを渡した。
「莉音さん・・・本当はしゃべれるでしょ?」
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