第13章 抑えられない情動
その日の夜。
机に向かって
溜まった書類をこなすミケを横目に、
アンはベッドでうつ伏せに寝転がっていた。
「ミケさん。
結局、いつから私のこと好きだったんですか?」
唐突に、そう問いかけた瞬間、
ペンを奔らせる音が止まる。
「……お前、まだそれを聞きたいのか?」
「聞きたいです。」
「俺は今、提出期限の迫った
書類をしている。それを承知で」
「聞きたいです。」
ミケの声に被せる様に言い放つと、
ミケは小さく吹き出した。
「……本当にしつこい奴だな……」
そう言うミケの声に困惑の色は見られず、
ゆっくり立ち上がると、
ベッドの淵に腰掛ける。