第12章 策士の思惑
「エルヴィンらしいね。
ミケのことを信用してるからこそ
できたことだった、って訳か。」
「そうだな。
それに、もしそのまま素通りして
ハンジの部屋に行ったとしても、
お前はいないだろう?
それなら廊下を引き返す過程で、
もう一度“あの状況”を目にする訳だ。
二度もそんな場面を見せつけられて
平気でいられるような奴じゃないよ、ミケは。」
「……団長の策略には、
いつも驚かされてばかりです。」
モブリットはエルヴィンの話を聞き、
感嘆の声を上げた。
その時、
「おい!ハンジはいるか?!」
という声と同時に、ミケが部屋に入ってきた。