第9章 作意の意味
ゆっくりドアを開けると、
そこにはモブリットが立っていた。
「ミケ分隊長。突然すみません。」
「お前が俺の部屋に来るなんて珍しいな。」
「ちょっと頼まれごとを引き受けたんです。
あの……10分後にハンジ分隊長の部屋に
来てもらってもいいですか?」
「……10分後?」
「はい。
今から10分後にお願いします。」
「今すぐじゃだめなのか?」
「自分にもよく分からないんですが……
10分後じゃないとダメらしいです。」
「……相変わらず奇怪なことを
言い出すな、あいつは……」
またハンジの実験材料にでもされるのだろうか。
自然とため息が漏れる。
「では、自分はこれで失礼します。」
モブリットはそう言うと、
足早に廊下を後にした。