第4章 自然と惹き寄せられる
「ごめん、余計なお世話だったよね……」
そりゃそうだろう……
まだ会って二回目の女に、
自分のこれからの動向を知られている上
勉強しろと促すかのように問題集を渡されて、
いい気分がする筈ない。
そう思いながら
恐る恐るエマの顔を盗み見る。
すると、
「アン!ありがとう!!」
そう言って、いきなり両肩を掴まれ、
思わず呆気にとられた。
「一般教養の試験があるなんて、
今初めて知ったよ……!
と言うか、兵団の料理人になる!
って宣言したものの、
実際何にも知らないんだよね……
リヴァイさんと話してて、
口をついて出たことだったから、
これからどうしたらいいのか困ってたんだよ。」
早口に話し出すエマの顔を見ていると、
思わず頬が緩む。