第4章 自然と惹き寄せられる
「……実は、今日の目的は食事じゃないんだ。」
「ん?
何か用事があってクロルバ区まで来たの?」
「ううん。
エマにこれを渡そうと思って。」
カバンの中から取り出した書類を
エマに手渡す。
「………一般教養の問題集?」
「調査兵団の料理人になる為の試験、
受けるんだよね?」
そう言った途端、エマの足が止まった。
「えっ、何で知ってるの?!」
エマは今まで見たことがない程の
驚いた表情を浮かべる。
「ミケさんから聞いたの。
ミケさんは兵長から聞いたらしくて。」
「……それでわざわざ私に
これを届けに来てくれたの?」