第4章 自然と惹き寄せられる
エマの働く店に向かって
並んで歩いていると
「それにしても、
一人でここに来てくれるなんて
思ってなかったなぁ。
あんな汚い店、
若い女性の好みじゃないでしょ?」
エマはそう言って
不安そうな表情をこちらに向ける。
どんな顔をしても愛嬌があるなぁ……
そんなことを思いつつ、
「料理があれだけ美味しかったら、
若い女性も来たくなるよ。
……ただ店に辿り着くまでが
少し怖いけどね。」
と、悪戯っぽく笑って見せた。
「ありがとう。
次アンが店に来てくれる時は、
路地の手前まで迎えに行くよ。」
エマは肩を震わせて笑いながら
そう言った。