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密かな交換条件・2【進撃の巨人】

第4章 自然と惹き寄せられる



「おいおい、エマ。
こんないいところで
邪魔するんじゃねぇよ。」


男に“エマ”と呼ばれたその女性は、
今向かっていた食堂で働く
“エルヴィンの想い人”だった。



「でも明らかに嫌がってるよ?」

「なんだよ、そんなことねぇだろ!
だって抵抗しねぇんだぞ?」

「抵抗しないと許諾するは、
意味が全然違うからね。」

「難しいこと言うんじゃねぇよ。
お前ほど本を読まねぇ俺にも
分かるように教えてくれ。」

男のその言葉を聞き、女性は頬を緩める。


やっぱり笑顔が可愛い。

こんな状況にも関わらず、
呑気にそんなことを思ってしまう。


「本屋の店主が
本を読まないでどうするの?」


……この坊主頭の見るからに
柄の悪い男が本屋の店主……?

あまりに不釣り合いな組み合わせに、
思わず吹き出しそうになり、顔を伏せた。

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