第3章 表向きの方針か偽りのない本心か
……違う。
こんなことは望んでない。
ミケに応援してもらいたい、
なんて、もう思ってない。
団長の恋人になりたいとも思ってない。
あの女性が兵団に来るかもしれないと聞いて、
さすがに少し動揺はしたが、
もしそれでエルヴィンと彼女が
うまくいったとしても、
私は意外と快く祝福できた気がする。
そう思えるようになったのは、
ミケがいたからだ。
“両想いになれるように努力する”
そう言ったミケのあの言葉は嘘だったのか。
それとも、その気持ちを押し殺せるほど、
私とエルヴィンの仲を
本当に取り持ちたいと思っているのか。
色々考えを巡らすが、
ミケの本心に辿り着けそうもなかった。