第3章 表向きの方針か偽りのない本心か
「……挑発してきた割に、随分辛そうだな。」
「……あそこまで、激しくされると、
思ってなかったので………」
なるべく弾む呼吸を抑える様に
言葉を発していると、
ミケの緩んだ表情が目に留まる。
「悪かったな……」
そう言うミケの表情は穏やかなままで、
表情と比例した優しい手付きで
背中を撫でられた。
「……いえ。調査に行く前に、
濃厚に抱いてもらえて、良かったです。」
少し冗談めかした口調で言ってみるが、
返答がなく、
ミケの胸の中から少し顔を上げる。
だが、視線が合うことはなく、
ミケは真っ直ぐに前を向いていた。