第1章 身体の関係より大切な
ミケの視線の先に目を向けた後、
仰向けになって部屋を見渡す。
最初は落ち着かなかった殺風景な部屋にも、
そろそろ愛着すら
感じられるようになっていた。
……だが、それにしても、
あまりに色がなさすぎる。
ミケは分隊長になって
自分の部屋をもらってから、
ずっとこんな部屋で生活していたのだろうか。
そもそも、
何で調査兵団を選んだのだろう……
団長の右腕と呼称され、
リヴァイ兵士長に次ぐ戦闘能力を持つ
実力者と聞いているが、
それなら憲兵団へ行く道も
あったのではないだろうか。
そう思った時、
自分がミケのことを
殆ど知らないことに気付いた。