第1章 身体の関係より大切な
ミケの告白から一週間。
ミケと“身体以外の関係”を築くため、
告白してきたにも関わらず、
相変わらず飄々としているミケの部屋に
アンは毎晩通っていた。
「ミケさん。私です。」
ミケの部屋の前で、それだけ声を掛けると、
すぐにドアが開き
「ああ。」
と、それだけ言ったミケは、
相変わらずドアを大きく開くことで
“入れ”と言う指示を出す。
アンはミケの部屋に入るなり、
いつもの様にベッドに寝転がった。
こうすると、
すぐにでも“やる気”のようで、
最初は躊躇っていたが、ソファーの無い
この部屋でくつろぐ方法は
これしか思い浮かばない。
ミケはいつもの様にベッドの淵に腰掛けると、
特に何をするでもなく
空っぽの本棚を見つめていた。