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密かな交換条件・2【進撃の巨人】

第1章 身体の関係より大切な



「俺を心配してくれてるのか?」

「当たり前じゃないですか……」


身体全体を包み込むようなミケの抱擁で
心地良い体温が身体を巡る。

勿論、“身体の関係”も必要ではあるが、
ミケの体温を一身に受けることのできる
この時間が、今の自分にとっては
一番大切だった。



少し顔を上げると、
見るからに柔らかそうな顎髭が目に留まる。

そっと触れてみると、
優しい眼差しと感触が、
自分の鼓動を速くさせた。


ゆっくり近付くミケの表情は穏やかで、
調査前だということをまた忘れそうになる。


………いや、それでいい。

今だけは忘れよう。



そう思い直し、ゆっくり目を瞑った。

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