第2章 ●誰のせい?
唇を押し当てるだけの優しいキスを
何度も何度も繰り返していると、
身体の奥からじんわりと、
もっと深く求めたくなる気持ちが溢れ出る。
ミケはいつものようにその気持ちを察し、
ゆっくり舌を口内に滑らせ、
いつもよりもっと穏やかに舌を絡ませる。
「……んっ……、」
意図せず漏れ出した吐息のような声に反応し、
シャツの中に熱い手が入ってきた。
「……今日はしないつもりでいたが、
無理そうだ……」
調査前は心が騒ぎ立つのでしたくなる、
という話はよく聞くが、
ミケはそうではないのだろうか。
それとも我慢するつもりでいたのか……?
ミケの指先が徐に背筋をなぞり、
小さく身体が震える。
大きな手の繊細な指遣いは、
いとも簡単に自分の気持ちを昂らせた。