第4章 炎と風
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てなわけで、外に出たはいいものの、穴から顔を出した瞬間突風に煽られて吹き飛ばされそうになる。
「飛ばされる~!!」
「ヴィナしっかりせんか!」
エミアに叱られながらも、突風は容赦なく吹きつけてくる。手を掴まれてそのまま引き上げられたからいいけど。
「ありがとう。」
「飛ばされんなよ。」
グレイは私が飛ばされないように掴んでくれていた。
「姫!下着が見えそうです!」
「自分の隠せば??」
「おいおい。」
ルーシィのスカートを押さえるバルゴの後ろ。グレイの視線に気づいた私は思いっきり脛を蹴飛ばした。
「いって!!」
「ざまぁ。」
「無理だ…今からじゃ追いつけるはずがねぇ…俺たちの、勝ちだよ…」
そうつぶやいたカゲ。
地面に横たわるカゲをただ上から睨みつけるだけ。勝ちかどうかやってみないと分からない。
っていうか、カゲを連れてきた本人の姿がないんですけど。
「ん?ナツはどうした?」
「あれ?」
「ハッピーもいねぇぞ。」
「飛ばされた?」
皆であたりを見回していると、エミアは何か知っているかのように私を見上げた。何か言いにくそうにしている。
「エミア、ナツとハッピーどこ行ったの?」
「…それがじゃな…あ奴を追いかけに行った…」
「あのバカ!」
「何でそれを早く言わないの!」
「だって…妾とて見たのは一瞬じゃったし…」
「とにかく私達も行くぞ!」