第2章 鎧の魔道師
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「ったく、情けねぇ奴だな…喧嘩売った直後にこれかよ。」
ナツは、列車に乗って燃え尽きた。
席順は、私がナツとグレイの間に座り、頭の上ではエミアが、膝の上ではハッピーが、そして前の席にエルザとルーシィ。
なんか自然の流れでそうなった。
「毎度のことだけどつらそうね…」
「ヴィナはもう慣れたの?」
見上げてきたハッピーをエミアが見下ろす。
「あたりまえじゃ。ヴィナを見くびるでない。」
「ヴィナも前はダメだったの?」
「今でもちょっとダメなときがある。」
乗り物など、慣れればこちらのものである。しかし、慣れるまでに相当苦労した。ナツもそのうち慣れるといいのだが。
「仕方ないな。私の隣に来い。」
「あ“い”」
ナツとルーシィの席が変わり、エルザはナツの肩に手を回した。
「楽にしてろ。」
「あ“い”」
何をするかと思えば、エルザの拳がナツを直撃し、そして気絶した。何気なく見てないふりをする。
「これならすこしは楽だろう。」
「エルザ。そろそろ教えてくれてもいいだろう。俺たちは何をするんだ?」
本題に入ったところで、エミアがあっ!と声をあげた。なんか忘れてる気がする。
「ヴィナ。あの事を伝えんでもいいのか?」
「…あぁ!忘れてた!」
「まったくしょうがない奴じゃのう。」
「あの事?」
そしてエミアは話した。闇ギルドの動きが活発化していることを。