第2章 鎧の魔道師
やっと落ち着いた日々が戻ってきた。
S級クエストから帰った直後、盗賊討伐の上に、たまたま出くわした変な奴等と一戦交え、私はテーブルに突っ伏していた。
目の前ではカナが相変わらず酒を飲む手を止めない。
リクエストボードの前では、ルーシィとナツが次の仕事を選んでいた。早く決めろというナツにルーシィはチーム解消だ!といいだす。
「なぁに、無理にチームなんか決めなくてもすぐにいやってほど誘いが来るさ。」
「グレイ、服。」
「うぉぁ!!」
「彼女は本当なら僕と真実の愛で結ばれたチームを組むはずだったんだ。一生のね。だけど、僕はヴィナの意見を尊重するよ。助けが欲しい時はいつでも駆け付けるから。グレイと一番仲がいいのも僕だって自覚はしてるから。」
「まぁ、否定はできねぇな。」
「ヴィナとグレイだって、さんざ悩んだ挙句の結果だもんな。」
私の頭をポンポンと叩きながらマカオは笑いながら言う。
多すぎる誘いを何回断ったことか。あれは苦悩の日々だった。
「俺も大変だったぜ…」
「うっぜ。」
「何?!」
また始まっちゃった喧嘩を止める気にもならない。またギルドを壊す前に止めてくれよと周りの視線に耐える私に身にもなってほしい。
「ルーシィ。どうじゃ、ヴィナと組んでみては。案外いいかもしれぬぞ。」
そんなエミアの声に頭をあげる。もう、私はどうでもいい方の気持ちが強い。誰と組もうがそもそも今仕事に行き気にはならない。
「ヴィナか…ヴィナって水の魔導師…だよね…?」
答えようと口を開いたエミアだが、ルーシィと共に飛ばされてきたナツの下敷きになってしまい、ついに私はきれた。