第4章 第1層~第10層 その3 "再起"
ボス戦当日―
相変わらず暑い中、私達は列を成してボス部屋へと向かっていった
暑いのを延々我慢しなくてはならないだろうと考えていたが、迷宮区の中は以外にも涼しく、外よりも快適であった
意匠も環境も同じ、か
とりあえず日と暑さから逃れられるなら、気にする程の事でもなかった
今回私達は四番目の部隊
前回のような事態でもない限りは崩れる事はない筈だ
仮に同じ事態が起きたとしても、それは二度目―もう慌てる程の事態じゃない
尤も、更に予想の斜め上が来られたら…まぁその時はその時だ
開く扉の向こうの光に目を細めながら、進む
「っと…」
列を成す中、誰かがぶつかった気がしたが今は気にしないで良いだろう
50人近くもいるのだ、そういう事もある
それ以上に、ボス戦だ
入ってきた扉が消える
目の前に広がるのはまたも夏の日本だった
正面から日射しが私達を貫く
暑さはフィールドでのそれと変わらず、身体にまとわりつく
周囲はビルが幾つか建ち並んでいる
左には山が、右には住宅地が見える
今までと違う雰囲気だ
第三層のフィールドがフィールドだった故、当然かもしれないが今回のステージは何だかこう…広い、という印象を得る
だがどうせ、何処かに見えない壁でもあるのだろう、等と考えている時に状況は動いた