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SAOGs

第33章 第61層~第70層 その1 "誇りと驕り"


第六十層クリア――

また一つ舞台が上の段階へ移った
その勢いのまま、六十一、六十二層を立て続けにクリアしゲームクリアがより希望的なものとなっていた

しかし、PKの増加等懸案事項も多く全ての攻略勢力が一枚岩となっていた訳ではなかった

無論オリジナルセブンもその内の一つである
そもそも聖槍十三騎士団を倒す為に集まった人員であり、ボス戦を七人だけで参加する許可も得ている
言わば、勝手を押し通せるのだ

付け加えるなら、彼――トーマはその中でも勝手をする第一人者だ

本人の気の向くままに――他の事など知ったことか
それが彼の基本的なスタンス

故に彼は、今も一人でフィールドにいる
鬱蒼とした森の中、巨木の枝に器用に座り惰眠を貪っている
既に数日はフィールドに出っぱなしなのだが、彼を探すプレイヤーはいない
彼の仲間である筈の面々にもその気はない

故に今、彼の眠りを妨げるものはない
だが、彼の眠りは唐突に終わった

一気にクリアとなる彼の視界と意識、そして各種感覚
瞬間的に周囲を見回し、音を拾い、臭いを追う

「…………」

いずれにも引っ掛からない
だが確かに彼は感じたのだ――五感に引っ掛からない殺気の類を

確める為に彼は巨木から跳躍し、地へと降り立った
無論可能な限りソフトランディング――着地のタイミングで襲われる訳にはいかない

だが警戒した襲撃は無い
代わりに来たのは音――最早聞き慣れたと言っても過言ではない砕け散る音
何者かのHPが無くなった証拠だ

人かフィールドのモンスターか
その答えもすぐに現れた

「貴様…」

刀を携えた青年――ツクモであった
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