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SAOGs

第29章 第51層~第60層 その1 "新生"


第五十層クリア――
それはこの世界に大きな変革をもたらした
それは、後半戦の始まりなどという生ぬるいものではなく、厳しさの度合いを増したとも言えるだろう

最大の戦力の一つである聖槍十三騎士団――その謀叛、もしかしたら始めからそうだったのかもしれない
だからボスをたった数名で倒せたのだ
そして彼等が今私達にとって最大の障害となっている
一人一人を倒さなくては、現実に帰れない

人を倒す――この事もまた物議を醸していた
あくまで人は倒せないという派閥、しかし倒さなくては我々プレイヤー陣がどうにもならないという派閥、そして向こうも人を殺したのだから報復をしなくてはならないという派閥
大きく分けてこの三つに分裂していた

事実、聖槍十三騎士団は五十層ボス戦直後――あの瞬間に多くのプレイヤーを殺した
被害者はいずれもボス戦未参加か、戦わない事を選んだ人か、戦えない子供ばかりであった
"充分に生きろ"――この言葉に生き死にが関わっていたという、インチキのようなものが実現してしまっている
故に最新の第五十一層はまだ攻略されておらず、街の機能を解放するだけに留まっていた

私達オリジナルセブンにも、私自身にも問題は起きていた
シンジ先輩を喪い、残るメンバーは三人――私、エリー、ケンタだけとなってしまった
人を失い、方向性をも失った私達は動く事が出来ずにいた



そして私は武器が取れなくなっていた
戦う――死へのリスクを思う度身体が強ばってしまい思うように動けない
同時に私の頭の中に呪いの如く存在していた"引き出し"も、まるで嘘のように消えてしまっていた

ただ、徒に数日が過ぎ去っていった
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