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SAOGs

第28章 第41層~第50層 その5 "Einsatz"


第五十層――
全体の中でも丁度半分の位置にプレイヤー達は辿り着いた

半分、一区切り、いよいよ後半戦――
言い方や表現の方法は様々であったが、多くのプレイヤーはこの状況に希望を見出だしていた

しかし、私達はそうではなかった
ユウ、ミヤ、そして部長の三人を失った
数にすれば三でしかない、しかし私達からしてみれば数には例えられない程のものを失った

拠点として買った家が、広い
響き渡るのは秒針の音のみで、他は静寂
一分一秒が長く感じた

どうすれば良かったのか――ただそんな考えだけが頭に何度も浮き上がり、何になる事もなく沈んでいく
もう帰ってこないと、分かってはいるが帰りを待ち続けるかのように、私はリビングに居続けた

ケンタもエリーも同じ場所にいたが、何もする事が見つからぬまま、時間だけが過ぎた


もう何度目かの浮かばれぬ思いが生まれた瞬間、拠点の扉が唐突に開いた
激しい音の先から現れたのは、シンジ先輩だった

「行くぞお前ら。準備しろ」

「え……」

唐突な言葉に戸惑った
一体どういう事だ――?

「あの…行くって…?」

「決まってんだろ。第五十層ボス戦に行くんだよ」

おずおずと聞いた問い――その返しに、私は驚き思わず立ち上がってしまった

「それって、今の私達四人で参加するって事ですか?」

「む、無茶苦茶ッスよ!!」

「連携出来りゃ問題ない」

「気持ちの整理だって怪しいのに――」

「黙れ!!」

反論しようとしたケンタの胸ぐらをシンジ先輩が掴みかかった
部屋に響くシンジ先輩の声
その声は、他の何かを感じるよりもまず"怖い"と感じた

「俺は……今の俺は、クリアを目指さなきゃならん。お前らを返す為にも…キョウヤを無駄にしない為にも…」

小さく、呟くような言葉だけが聞こえた後、シンジ先輩は掴んだ手を離した

「分かったな。分かったなら行くぞ」

有無を言わせぬ言に、私達は着いていかざるを得なかった
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