• テキストサイズ

SAOGs

第26章 第41層~第50層 その3 "転換点への道標"


数日後――トーマは再びバスクの元を訪れていた

バスクの作った炒飯を漁るように食しており、米粒が周りに飛ぼうがお構い無しであった

「そういやこの前なんだけどよ、中々面白ぇ奴がいたわ」

唐突な会話
珍しいが故にバスクは特別な事でもあったのだろうと感じた

「ほう、それはアレか? お前の最後の獲物とやらになっちまったお嬢ちゃんの事か?」

「いや、違う奴だ。だけどなそいつのお陰でイライラがスッキリしたし、何が楽しいのかを改めて思い出させてくれたぜ。まぁメインディッシュにはならねぇが、歯応えのある奴だったな」

「珍しい奴もいたもんだな。で、どんな奴なんだ?」

「あ? ああ……刀使ってた。あとどっかの騎士かよ、って格好で……誇りがどうの恥がどうのとか言ってやがったな」

ここまで聞いた時点で、バスクにはある人物が浮かび上がっていた
しかし、そうだと断定は出来ない
そうとは知らずトーマは話を続けた

「それと、設定し直したのか水色の髪してやがったな」

それでバスクの頭の中はかなり整理された
そして、彼にとって嫌な情報が頭に浮かんだのである

「……もしかしたらそいつ、ヤバい奴かもしれんぞ」

「どういう事だ?」

「何でも"誇り無し"と判断した奴を刀で斬り殺す奴だ。名前は確か……ツクモ」

言いながら、バスクはこれで正しかったと感じていた

「へぇ、人殺しねぇ――」

しかしトーマの瞳はむしろ爛々と輝き始める
いずれ来るであろう、"命のやり取り"を期待するように

「――面白い奴じゃん」

彼は言葉を紡いだ
/ 739ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp