第25章 第41層~第50層 その2 "Love"
目が覚めると知らない天井
そして妙に膨らんだ布団が目に入る
あぁそうだ、と思考が追い付く
遂に念願の拠点を手に入れたのだ
仲間しかいない建物というのに、まるで家であるかのような安心感が沸いてくる
だが同時に―
「エリー…」
―こういう事への対処をしなければならないという事はも思い出した
手だけ布団の中をまさぐり犯人を引っ張り出す
僅かながら抵抗にあったが、すぐに首が布団の中から現れた
「………ちょっと寒い、戻る」
「いや駄目だから」
そう言ってのそのそと布団の中へ戻ろうとするエリーを捕まえる
第十一層に拠点を得てから数日たった
ここがゲームの中とは言え、基本的に命がかかっている
だからこそ、この場所に戻るという意欲が生まれる
宿でも悪くはなかったが、やはり"自分達だけの"というものがある種のブランド感を生み出す
休息を取った後の気分が大分違うのはそういうものなのだろう
お気楽、と言えばお気楽かもしれない
だが私達が生きている―命を持っている限り、帰る場所の重要性は非常に高い
実際戦いにも影響が出ているだろうと私個人は考えている
まぁ要するに、私達オリジナルセブンは非常に状態良く攻略に臨む事が出来ていたという訳だ