第24章 第41層~第50層 その1 "Survive"
翌日―
私達オリジナルセブンは久々に全員で行動していた
というのも簡単、拠点の為である
昨日、資金が目標額に到達した事を確認した後部長とシンジ先輩はすぐにそこに行ってしまった
その後夕食時に明かされたのだが、その時に購入したらしい
確かに素早く買わなくては、他の者に買われる可能性もある
故にすぐに買ったという訳だ
人数分の鍵を渡され、そして今――私達はそこへ来た
第十一層
その中心にある街、グランセル
大きな湖に面した石造りの街
ギルド作成クエストがあり、私達オリジナルセブンが始まった場所でもある
その西側のエリアにそれはあった
少し込み入った形になるエリアに入ってすぐだ
面長というか、縦長な面構えの建物の前で部長とシンジ先輩は止まった
「ここが俺達の拠点。この世界における家だ。さぁ、遠慮せず入ってくれ」
部長が鍵を開け、促されるまま私達は足を踏み入れた
瞬間―私達は息を飲んだ
綺麗に造られた石壁、足元に配慮したのか絶妙に敷かれているフローリング
これまで誰もいなかったから当然なのだが、それでも綺麗だと言わざるを得ない
「いやはや、本当に買うとは…」
「でもまぁ、頑張った甲斐はあった」
―と、感慨に耽るユウとエリー
「キッチンあるじゃん、やった!」
「風呂トイレ別じゃん!しかも二階もあるし!」
―と、はしゃぐミヤとケンタ
「キッチン有り風呂トイレ別、寝室有り。探すのに苦労したんだぞ全く。まぁ、寝室は男部屋と女部屋って分け方になるだろうが……説明は後で良いか」
素直に見守るシンジ先輩
そして、言葉の出ない私
一人一人のリアクションを見て、部長は満足そうに口を開いた
「皆、もうすぐ半分だ。もっと辛い戦いが待ってるだろう。でもその間はここを拠点に、ここを戻る場所として頑張ろう」
こうして私達オリジナルセブンは、生き残る事への意欲を新たにした
この時同時に四十三層のボスが倒され、また一つ先へ進む事となっていた