第24章 第41層~第50層 その1 "Survive"
ここがどういう場所か
元々の目的がどういうものだったか―
そんな程度のものを頭の奥底の奥底に押しやり、ただ潰し合う
剣とトンファーが高速で振るわれ、ぶつかり、火花を散らす
互いに一歩も譲らぬ斬と打の応酬
繰り返される愉悦と嫌悪の一撃
斬る、打つ、斬る、打つ、斬る打つ斬る打つ斬る打つ斬る打つ斬る打つ斬る打つ斬る打つ斬る打つ斬る打つ斬打斬打斬打斬打斬打斬打斬打斬打斬打斬打斬打斬打斬打斬打斬打斬打斬打斬打斬打斬打斬打―――
どちらの身体が、どちらの神経が限界を迎えるか
端から見ればそうなるであろう潰し合いに意外な形で乱入してきた者がいた
私達二人の間を割るように地面から現れる新たな敵
アリジゴク――ただのアリジゴクではない
主なのだろう赤い身体がそれまでと違うという事を示している
突然の乱入者に私とトーマは互いに距離を離す
だが、どちらにとってもこの間にいる物体は、邪魔者でしかなかった
「オルァ!!」
先に動いたのは向こう
視界に入った物を砕くべく、新たな邪魔者を殴り飛ばした
だが、流石はアリジゴクの主―吹き飛ぶだけで四散はしなかった
「どけぇぇ!!」
正面に飛んできたアリジゴクをブーストをかけた蹴りで横薙ぎに吹き飛ばす
そのまま剣を低く構えた
「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
煙の中から飛び出したトーマ
直感通り既に構えている
だからこそのカウンター
またもぶつかり合う、その力と力は―
「――っ!」
「チッ―」
高速で飛来した物体―槍によって、引き離された