第24章 第41層~第50層 その1 "Survive"
聖槍十三騎士団が二大ギルドの要請した"休養" をあっさりと呑んだため、それまでの勢いが消えるかと思われた
だが、二大ギルドを中心に気合いは十分であったようで、勢いそのものはそれ程衰えはしなかった
瞬く間という程でもないが、確実に四十一層、そして四十二層の二つの層をクリアしていた
私達オリジナルセブンの資金集めも佳境に向かっており、目標まであと僅かといった所であった
そんなある時――
「頼むっ!!」
―部長が私に手を合わせ、頭を軽く下げていた
別に何かやらかした訳ではない
資金集めの為にクエストをこなす日々であるが、これから部長が挑もうとしている『三位一体』というクエスト
それには三人で挑む必要がある
その人員として来て欲しい、という訳だ
既に参加が決定したのは部長とシンジ先輩
ミヤとユウは買い出しに出ているし、ケンタは釣りに出ている
エリーに至ってはまた一人散歩と皆気ままなものである
そこで相も変わらず暇を持て余していた私にその役目が回ってきたという訳だ
「あの、私なら暇なのでそういうのは、全然大丈夫ですよ」
まさにこの通り
ただありのままの状況を言ったに過ぎないのだが、部長には救いの手だったらしい
「本当か!?」
そう言って勢い良く私の手を掴んだ部長
その瞳は喜びに輝いていた
暇なのは事実だし、部長からこんな風に頼まれるのも珍しい
断る理由はないだろう
「よし行こう、早速行こう、今すぐ行こう!シンジ、シンジ!!行くぞ!!」
人数が揃ってテンションが上がったのだろう
部長はとんでもないスピードでシンジ先輩を呼び、私達は早速そのクエストをクリアしに出かけたのである