第22章 第31層～第40層 その4 "Twin×Twin?"

聖槍十三騎士団の勢いはまだまだ衰えない
いつの間にか三十六層､そして三十七層を突破し舞台を三十八層へと移していた

私達も拠点の為の資金集めをしなければならないので､クエスト等に挑んではいるもののボス戦には暫く参加していない
そのお陰か､順調に資金を集める事が出来ており､部長曰く｢間近に迫っている｣との事

とは言え､その為にフィールドに出る時以外というと､やはり私はやる事が見つからず､最早慣れた足取りで十二層へ向かうのであった
目的は勿論｢Duologue｣

街の中心から外れた場所にある建物の扉を開け､中に入る
店内には二人―同じ顔､同じ髪､されど雰囲気は全く違う二人
クリスとリアナだ

｢あ､リリちゃん!やっほー､元気?｣

｢元気ってか暇人なんでしょ。まぁ､ゆっくりしてけば?｣

｢そう?じゃあ一品でかなり粘るからヨロシク｣

そう冗談を飛ばしつつ､私は席につく
最早常連リストに名を連ねていたとしても文句は言えない程､この場所に対して慣れたと言って良い

｢今日は一人?｣

｢まぁね。エリーは多分…散歩してるんだと思う｣

｢前々から思ってたんだけど､一人で大丈夫なの?フィールドにもちょくちょく出てるみたいだけど｣

｢大丈夫。無茶しないだろうし､単純な力量なら私達の中だと多分一番強いからね｣

｢へぇ､やけにアクロバティックとは思ってたけどそんなに凄かったんだ｣

凄い―それがエリーの才
幾度となく助けられている
多分､また沢山助けられてしまうのだろう
そんな考えがよぎった瞬間､リアナの脇からクリスが飛び出るように身を乗り出した

｢凄いって言えばね､私達もこの前凄い人達に会ったの。ね､リアナ｣

｢あぁ､あの人達?まぁ確かに凄いって言葉に値する人達だったわ｣

二人も奇妙な出会いをしたようだ
気になった私は､その詳細を聞いてみる事にした