第22章 第31層~第40層 その4 "Twin×Twin?"
夢を見た―――
黄昏の世界は変わらぬ姿を見せている
意識はしていない、夢なのだから
だから勝手に、意志もないまま私の足が―身体が動き出す
何処へ向かうのか―
そんなもの分かりきっている筈だ
彼女の元へ、『 』の元へ歩みを進めるのみ
変わらぬ柔らかな風を感じ、変わらぬ波音を耳にし、変わらぬ花の色を見る
ただ唯一違うものがあった
先客がいた
先客と言うべきかは分からないが、私以外の人がいた
『 』がいるギロチンの目の前にその人物がいる
輪郭が歪む、姿を捉えられない
辛うじて人だと分かるものの、男か女か分からない
まるで陽炎――
一体誰だろうか
知っていた筈の人物だ
しかし、答えられない――アレが誰だか分からない
言い知れぬ不安と疑問
それが生まれるのを感じながら、私の意識は再び落ちていく